まるで恋のように。
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☆今号は写真絵本です(^^)
魂に響く絵本・児童文学
2009.3.19 第23号
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『おじいちゃんは水のにおいがした』
今森 光彦 写真・文、偕成社(対象年齢:読んであげるなら小学校初級から)
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〜 あらすじ 〜
『山々にかこまれた大きな湖、琵琶湖。
水辺のまわりには、田んぼがひろがり、家々があつまっています。
そんな湖のほとりで、ぼくは、ひとりの漁師と出会いました。
おじいちゃんの年は80才をこえています。
ぼくは、このおじいちゃんに会ったとき、とてもうれしくなりました。
なぜかといえば、おじいちゃんの体から、水のにおいがしてきたからです。』
(本書の冒頭より抜粋引用)
琵琶湖のほとりで毎日漁をして暮らす漁師、三五郎さんの日常風景が、
美しい写真の数々で切り取られている。
ほんの数百メートルの漁場を、「これだけあれば十分」という三五郎さん。
売るためではなく、自分の家族が食べる分だけの魚を捕る三五郎さん。
三五郎さんの乗る、大正時代に作られた小さな木船。
それを大切に大切に修理し手入れする、三五郎さんの姿。
川の表面に広がる藻を掃除する三五郎さん。
わき水を生活に利用している町並み。
わき水を、自然のシステムの中で他の生物と共有している生活スタイル。
冬の大切な行事として、"たなかみさま"にお供えものをして手を合わせる
三五郎さんの姿。
琵琶湖岸に広がるヨシ原の手入れの風景。
『漁師、田中三五郎さんが、私に教えてくれたことは
"水の中には、生命が流れている"ということです。
それは、琵琶湖に住む人ならだれでもが抱いていた
「水の哲学」です。そうした水への関心が、魚や水鳥
たちにとってゆりかごともいえるヨシ原も守らせてき
たのだと思います。
美しい水辺が、そして、三五郎さんの想いが、これ
からも受け継がれていきますように・・・。』(本書後書きより抜粋引用)
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衝撃的なまでに美しい写真の数々。
※こちらで、一部の写真が見れます。
ぜひ、クリックして、ながめてみてください。
http://www.kaiseisha.co.jp/newbook/new061.html
水面に映える日の光の美しさ。
川面を滑るように行く木船の姿のうつくしさ。
その木船をあやつるおじいさんの たたずまいのうつくしさ。
雑草と木々の間にかいま見える、たゆたう川面のうつくしさ。
丁寧に手入れされた網などの素朴な漁具のうつくしさ。
家々の間を流れる川で、おばあさんが野菜を洗ってる。
そんな景色の 胸をきゅんと打つうつくしさ。
使い込まれた古い台所の、玄関のタタキの、立てかけられたよしずの、
すがすがしいまでの うつくしさ。
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これらの風景は、これらの写真は なぜここまでうつくしいのでしょう。
考え込んだ結果、
ひとつの答えに行き着きました。
「そこに愛があるから」ではないか、と。
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愛されたものは、ほのかな光をまといますよね。
それが人であれ、動物であれ、植物であれ、土地であれ、無機物であれ。
【たとえば】
◎愛されている子どもは、愛されているオーラみたいなものをまとってますし、
幸せな家族が住んでいる家は、幸せ色の空気感をまとっています。
逆に言うと、空き家は、一目見てわかりますよね。
まとっている雰囲気がすさんでいるから。
◎私の義兄は、モノを大切に可愛がって使う人ですが、
義兄からもらうお古のパソコン、使わなくなった軽自動車、すべて「この子達は
可愛がられて大切にされてきたんだなー」って触れるだけで伝わってくるものが
ありました。
◎レイキを車に当てると、故障が少なくなり燃費が良くなり、そしてまた駐車違反を
取られにくくなる、と私にレイキを伝授してくれた師匠は言っていました。
レイキも「愛のエネルギー」の一種ですよね。
◎そしてまた、愛されたものは、「侵しがたい」ムードをまとう。
自己愛がしっかりしていて自己肯定感のしっかりしている人は、
イジメなどに遭いにくいと思うのですが、
これまた「愛されている光」をまとっている効果のおかげもあるかと思います。
◎どこかで読んだ話ですが、第二次世界大戦後のドイツで、
同じだけの食糧を配給している二つの公立の孤児院での体格差が
問題になったことがあったそうです。
片方の孤児院の子ども達の体格が、有意に優れている。
食糧配給量が同じなのにおかしい、何か不正でも行われているのでは、と調査したところ、
体格が良かった方の孤児院の院長が優しくて愛にあふれた人で、
体格の悪い方の孤児院の院長は厳しくて冷たい人だったそうです。
それ以外にその二つの孤児院に差がなかった。
食糧の横流しなどの不正も行われていなかった。
しかし、院長の人柄で子ども達の発育まで変わってくるのだろうか、と、
確認のために双方の孤児院の院長を取り替えてみたそうです。
そしたら、その結果、温かい人柄の院長が来た孤児院の子ども達の発育が良くなり、
厳しい院長が来た孤児院の子ども達の健康状態は悪くなったそうです。
「ビタミン愛」は本当にある、ということが確認された実験でした・・・。
つまり、愛されているものは、発育や健康状態が良くなるのです。
◎植物に歌を歌ってやると実がたくさん付く、とか、
田んぼに挨拶してやると収穫量が増える、とか、
よく聞く話ですよね。
◎私の住む村は緑の多い自然の豊かなところですが、
ただ放置されただけの山、林も多いところです。
繁り放題に繁った笹やイタドリに囲まれ、容易には近づけない林が、
延々と続いています。
その木々は、全然幸せそうに見えない。
人間に侵害されずに自然林でいられているのだから幸せでもいいはずなのですが、
まったく幸せそうじゃない。
どちらかといえば、すさんでいる。
うち捨てられてかえりみられていないものがまとう空気、
たとえば空き家がまとっているすさんだ空気と同種のものを感じるのです。
◎一方、たまに札幌に出かけ、北海道神宮の森や北大の構内の木々を見ると、
幸せそうに見えるのです。
豊かで満たされて見える。
愛されているもののまとう光をまとって見えるのです。
手入れされ、愛でられているものの輝きを感じるのです。
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以上の根拠から、
私は人間の存在価値は「愛すること」にあるのではないか、と思うに至りました。
人間は、本当に「地球のガン細胞」だろうか、と。
本当に、環境を破壊するだけの存在だろうか、と。
人間だって、大自然の一部。
神の創造物のひとつ。
大自然に、ムダなモノなんてひとつもないはず。
神の造られたものに、ムダなものなんて 一つもないはず。
「では人類は地球環境の中でどんな役割を果たすために生まれてきたのか」と考えたとき、
人類は、愛するために生まれてきたのではないか、と思い至ったのです。
人間は、周囲を愛することで、地球に、環境に、貢献するのではなないか、と。
大自然の存在の中で、人間は突出して「愛することが得意な種」だと思うのです。
違う種のことまで愛しかわいがり手入れをし世話をすることのできる、
希有な存在だと。
人間は、その知性、その想像力、その器用な手先を使って、
周囲を愛し世話をし手入れをすることを担って生まれてきていると思うのです。
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愛することは、光をまとわせること。
内側から満たし、免疫力を上げ、健康にし、
外側に結界を張り、侵入者を防ぐバリアとなる、
そんな温かい柔らかな光で覆うこと。
三五郎さんと、その周囲の人々が
川と琵琶湖に
その街並みに
その家々に
どのような光をまとわせたか。
どのように手入れし、世話をし、可愛がることで
どのように内側から満たし健康にしていったか
リアルに見ることのできる絵本。
ぜひ、手にとって見てください。
そこに、希望が見えることと思います。
人間が地球に為すべき事がわかると思います。
私たちが地域にするべきこと。
私たちが周囲の身近な人々にするべきことがわかると思います。
★それは、「愛でること」。
子どもにすることも、地域を流れる川に対してすることも、一緒。
人に対してすることも、持ち物に対してすることも、
地域に生えている植物に対してすることも、一緒。
「いのち」への畏敬の念をこめながら
愛し、手入れし、可愛がること。
愛の光を送ってあげること。
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『おじいちゃんは水のにおいがした』
今森 光彦 写真・文、偕成社(対象年齢:読んであげるなら小学校初級から)
この写真絵本が現代の日本で撮影されたことは、大きな希望。
このような暮らしをしている人がまだ居ること。
このような風景がまだ残っていること。
このような生活哲学がまだ息づいていること。
このように、
敬虔で大自然に対する畏怖の念に基づいて生きている人々が
まだいること。
それも、北海道の片隅で、とか沖縄の離島で、ではなく、
大阪からほど近い琵琶湖にまだあることは、
おおきな希望の光。
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廃刊にしたメルマガ、「魂に響く絵本・児童文学」より収録
おじいちゃんは水のにおいがしたって
絵本いいタイトルですね
子供向けにいい話に仕上がってるなと思いました
こんな本もたまには読みたいです
いいブログですね
また来ます